新卒採用も本番です。3月から各ナビサイトもオープンして、いよいよ新卒採用戦線が本格化します。
僕も毎日のように学生と会っています。一日8本とか面接が入ると、やはり大変ですが会社と学生の将来が掛かっているので、精神をすり減らしながら本気で取り組んでおります。その中で気になるのが、働くことのリアルがある学生とない学生が存在することです。
志望する業界や働き方がはっきりしている学生と、そうでもない学生。明らかに前者のほうが安心感があります。採用する場合はもちろん、採用しない場合も自社では幸せにならないことが分かっているので、心置きなくサヨナラできますし、お互い納得の上で辞退になったりします。
後者の学生は、話が上滑りします。妄想の中で志望動機を固めてくるので、会社説明会に行く度に、その会社が良く見える。どこの採用担当者も自社の良いところを明確に伝えるので当たり前ですが、毎回フラフラします。リアルが分かっている学生はその中から必要な情報だけを聞き出します。妄想している学生は、妄想が拡大するだけなので結局上辺だけの情報でなんとくなく就職活動を進めて、どこの会社でも通用しそうな志望動機を述べて、大体人事部長面接や役員面接で落ちます。
その両者の大きな違いはどこで生まれるのか。色々原因はあります。自営業者の子供や自力で学費を稼いだ学生などはリアルがある場合が多いです。逆にサラリーマン家庭で親が仕事の話を家でしなかった場合は、リアルがない場合が多数です。
まだ仕事のリアルをイメージする処方箋はあります。この瞬間に働くリアルのない学生は、自分を育てて頂いた方、特に働いている親父さんとの会話をしてください(母親が働いている場合は、お袋と読み換えてください)。
学生は無意識に自分が生まれ育った環境を基準にライフスタイルを設計しています。つまり実家の年収や暮らしぶりが基準になります。この時、多くの学生が自分の親の年収や仕事内容を知らないまま成長しています。そのため、働くことをイメージしようとしても、自分が育った生活が誰のどんな努力によって守られていたか、知らないのです。
学生の皆さんは、まずは親父さんと真っ向から話す時間を作りましょう。お酒を飲みながらでもいいですし、家だと気恥ずかしければ喫茶店などで雰囲気を変えてもいいでしょう。
・仕事の遍歴および年収
・どの時期が辛かったのか?
・仕事の楽しみは?
・仕事から逃げたいと思ったことはないのか?
・仕事をしてきて、良かったことは何か?
このあたり、ちゃんと聞いてみましょう。
親父さんも気恥ずかしくて、嫌がるかも知れませんが、そこは土下座をしてでもお願いしてください。
自分の人生を決めるこのタイミングで、肉親と本気の話をしてみるのもトレーニングです。そうやって大人の階段を上ってください。
僕らはその階段の先で、ひとつ大人になった皆さんと仕事の話がしたいと思っています。
0コメント